ピロリ菌を退治するとアレルギーになりやすい?

ヒトの胃に生息するヘリコバクター・ピロリ菌が、小児の喘息発症リスクを最大50%低減させると、医学誌「Journal of Infectious Diseases (感染症)」オンライン版に掲載されました。

この研究は、1999年~2000年に米国立健康統計センターが実施した「第4回米国民健康栄養調査」の対象となった、小児7412人のデータを収集したもの。

その結果、3~13歳でピロリ菌を持っている小児は、持っていない小児に比べて「喘息を発症する率が59%低い」「花粉症やアトピー性皮膚炎、発疹などのアレルギーを持つ率が40%低い」とわかり、3~19歳では「喘息リスクが25%低い」こともわかったそうです。

また、筑波大学の研究グループは、生後2週間のマウスにピロリ菌を投与する実験を行った結果、「ピロリ菌から抽出されるコレステロールの一種を投与すると、リンパ球の一種が優先的に活性化され、アレルギー抑制につながる」ことが判明。

幼少期にウイルスや菌に触れることで、免疫細胞が正常に発達し、成長後アレルギーになりにくい免疫系が形成されるとする「衛生仮説(環境が清潔すぎると、アレルギー疾患が増えるという説)」を裏付けるような研究結果を発表しました。

これらの研究によると、ピロリ菌感染はリンパ球を活性化して免疫をあげるということになります。

これは、腸内に乳酸菌やビフィズス菌などがいることによって、免疫細胞であるリンパ球を刺激して、免疫力をあげているというのと同じこと。

「幼少期にウイルスや菌に触れることで、免疫細胞が正常に発達し、成長後アレルギーになりにくい免疫系が形成される」というのは、まさにその通りだと思います。

日本人の大人の7割近くがピロリ菌に感染していますが、日本人の7割が胃潰瘍や胃がんになっているわけではありません。

どんな症状も病氣も、血流の良さと、自分の免疫力にかかっているのです。

私たちの胃や腸には多くの細菌が生息しており、多くは病原性がなく、消化を助けるなどの有用な働きを持っています。

日本では毎年20万人から25万人が新たに胃がんと診断されています。

6000万人がピロリ菌に感染しているのに、25万人しか胃がんにならないのですから、胃がんの原因が本当にピロリ菌なのか、疑問視したくなります。


(これだけは知っておきたい 最新 女性の医学常識78 石原新菜著より抜粋)



ピロリ菌は人間の持っている常在菌のひとつ。

それを除菌、退治すること自体、不自然なことは常在菌について勉強すると分かってきます。

なぜ、その菌は存在するのか、

また、その菌の勢力が増して、暴れてしまうのはなぜか、

そういったことまで、理解する必要があると思っています。