腐海が生まれたわけ ~風の谷のナウシカから学ぶ~

畑や田んぼには余剰肥料がのこり、いわゆる肥毒が出現してきます。

これに対応するため、昔から日本のお百姓さんは肥毒を吸い出すのに、「麦」と「大豆」を植えました。麦は「土を掃除してくれる作物」とも呼ばれてきました。

実は、植物はこのように、土の浄化作用にも携わっていることがあります。

映画「風の谷のナウシカ」で「腐海」という場所が出てきます。腐海は人間の生存を脅かす猛毒の汚染地として描かれています。腐海では従来の動植物は一切生息できず、瘴気と呼ばれる毒素を大気中に放出し、人間の健康や作物の生育にも深刻な影響を及ぼしていました。

人々は腐海を、毒だらけの腐った世界ととらえ、腐海の虫や胞子を焼き払おうとしました。汚染された腐海の土や胞子がある限り、わずかでも入り込めばたちまち繁殖して、一帯は腐海に飲み込まれてしまうからです。

そんな中、ナウシカだけが腐海の本当の意味を悟っていました。ナウシカはひとり、城の地下室で、腐海の植物の胞子を育てる研究を行っていました。清浄な水と空気の中で栽培した場合、一切の猛毒物質である瘴気を出さないこと、また大きく育たない事がわかったのです。

瘴気の毒素は、実は、植物が地中の有毒物質を吸い取り、無毒化する過程で生じた二次代謝物で、つまりは人間が放った有毒物質の極一部であるということがわかりました。腐海の植物は、その土地の無毒化を達成すると、次第に枯れていき砂になっていきます。腐れきった腐海の底は清浄の地だったことをナウシカは発見しました。

「腐海は人間が汚した世界をきれいにするために生まれたの。みんなに伝えて。腐海が生まれたわけを。虫は世界を守ってるって。」

つまり、「清」と「濁」はつながっています。私たちは「清」だけを求め、「濁」を切り離そうとしますが、それは自然の摂理に反します。

畑においても同様で、病害虫は生命力のない野菜を食べます。見込みのない植物は虫が食べ、見込みのある生命力のある植物にその命を授けるのです。

人間が思う以上に、自然の仕組みに無駄はなく、いのちは全てつながっています。

※参考:吉田俊道著、wikipediaなど。また、内海先生との懇親会でも教えていただきました。ありがとうございました。


(吉富信長氏の投稿記事より抜粋)