給食を変える方法

地元の学校給食の献立をみると、家でも食べないような危ないものがいまだに多いですね。どこで作られた食材か、どこまで手作りでどこまで出来合いものなのかも不透明です。

パンには、アルミ入りのベーキングパウダー、トランス脂肪酸のマーガリン、ポストハーベスト入りの下級な輸入小麦にたっぷりの添加物。おかずには化学調味料や添加物たっぷりにサラダ油が入る。使われている野菜は事前の入札制で落とした慣行野菜が定番。牛乳はほぼ毎日出て、デザートには白砂糖や甘味料などで味付け。

こうなると、給食を断って手作り弁当を持たせるのが最善の策でしょうが、現実に難しい家庭が多いと思います。また、よりよい給食が実現したとしても給食費の値上げが条件となる可能性が高くなります。やはり国や自治体から予算を負担してもらうことを視野に進めないと給食としての意味がありません。

では、給食を変えることができた他県の成功例では、どのような流れで行っていったのでしょう。

ほぼ共通しているのが「条例化」したこと、または「条例に組み込んだ」ことです。

無農薬野菜を取り入れるようになったとか、パンからお米に変わったとか、和食中心になったとか、牛乳をなくしたとか、これらを実現でき、かつ継続的に取り入れることが出来ている市町村は「条例化」したことにあります。

市民運動で周りを啓蒙していくのは大事ですが、行政とのやりとりになってくると、ただ危険性を訴えるのでは無意味です。ある程度それが危険であっても、それは国が安全と定めていれば「安全だから問題ない」と返されます。

無理やり声を上げていっても、向こうからすれば言い方が悪いですがオカルト団体にしか見えませんし、相手にされません。それでは建設的な話はできないのです。お役所はなにより形式主義がはびこっていますし、事務的な対応で終わることも良くある話です。

交渉には影響力のある人(議員であれ、専門家であれ)を同行させ、食材を変えることで「こういう効果がある」「こういう成功事例がある」ということを真摯に訴えていくのがいいと思います。地元の議員さんに議会が運営する委員会、協議会などで上手に話を持っていってもらい、やはり市職員や県職員のお尻を叩いてもらう必要があります。ほとんどの公務員は余計な仕事をしたくないのが本音だからです。

市民団体が行政と話をできる機会があったら、まず自分たちの感情を抑え、今のシステムの現況をしっかりヒアリングすることからはじまります。そういう意味では、情熱以外に、交渉術や戦略が実は大事になってきます。その現況からどう変えていくかの提案も考えていく必要があります。

無農薬野菜導入に関しては、2006年に有機農業推進法が国から制定されてから各自治体に有機農業推進をする課などが設置されているはずです。彼らと相談し、学校給食担当の職員に一緒に話を持ちかけていくのもひとつの手でしょう。

時間をかけ、仮に話が良い方向に進んでいくと、今度は一部の周りから「子どもの好きな物を食べさせてあげればいいのでは」、「牛乳を飲ませたい」、「1生産団体の利益のために学校給食を私物化しているのではないか」などのような非難も予想されます。その場合は、自分たちの信念や効果的な情報を上手に伝え、可能な方法で進めていくしかありません。

いずれにしても声を上げていくのが先決ですが、同時に、京都市のような給食改善の動きに向いている成功事例を調査し、どうやって変えていったかをまねていくのがいいと思います。

※黒澤明監督の映画「生きる」では、形式ばった行政に真摯に交渉していく、主人公の素晴らしい姿が映し出されています。大塚先生の「給食で死ぬ」、西日本新聞社の「食卓の向こう側(3)」も必読です。


(吉富信長氏の投稿記事より抜粋)


成功事例を調査し、どうやって変えていったかを真似ていく、

そして、

条例化するのが近道ということが言えるかと思います。