「給食で死ぬ!!」大塚貢先生の給食改革とは?

長野県上田市真田町。
現在この小さな町は非行・犯罪ゼロ、いじめもゼロ、そして全国平均より抜きん出て学力が高いという。

「以前は非行・犯罪が絶えなかった」と話す前教育委員長の大塚貢氏は、「授業改善、米飯給食、花づくり」によって子どもたちの心身を甦らせた。



大塚氏が中学校の校長になったのは、平成4年。生徒数1200名の大規模校で、その荒れ方はもう非行なんてものじゃない、立派な犯罪。強盗、窃盗も多かった。学校の廊下をバイクで走ったり、窓ガラスは次から次へ割られ、不登校も常に60~70人いた。

まず取り掛かったのは授業の改善。そして、全校生徒の食の調査。

結果、朝食を食べてこない子どもが38%。ただ、朝食を食べていると答えた生徒にしても、実態はほとんどがパンとハムやウインナー、それと合成保存料や着色料、合成甘味料の入ったジュース。そして夜はカレーや焼肉が多かった。

こういう食事ばかりではカルシウムやミネラル、亜鉛やマグネシウムといった血管を柔らかくしたり、血をきれいにする栄養素はまったく摂取できない。

だから子どもたちの血液がドロドロで、自己コントロールができない体になって、普段は無気力でありながら、突如自分の感情が抑えきれなくなってしまう。いくら「非行を起こすな、いじめるな、勉強を本気でやれ」と言ったところで、体がついていかないのである。

そういったことをPTAの席でお話しして、「なんとかバランスのよい食事をつくってください」と呼びかけたところで、いまの若いお母さん方にはまったく聞き入れてもらえなかった。

そのため、学校給食の改善に。
米飯に切り替え、野菜や魚を中心にしたバランスのよい献立の給食にしようと考えたが、先生方からも親からも反対の嵐だった。先生たちも揚げパンとかレーズンパンのような菓子パン、あるいはソフト麺とか中華麺が好きで、しかもそういうものは一つひとつが袋に入っていて、配膳も楽なのである。

米飯は一人ひとりのお弁当箱によそわなければいけないため、手間がかかり、「国際化社会の時代に米飯に偏るのはおかしい。国際食にすべきだ」とか、いろいろな理由をつけて反対された。親も子どもの好きなものを食べさせてほしいと。いまの親はそういう煩向が非常に強い。給食費を払っているんだから、子どもが好きな揚げパンやスパゲティを出してほしいと。

そこで大塚氏は栄養士の方を連れてきて、鰯の甘露煮とか秋刀魚の蒲焼きとか、非常においしくつくってもらったりして、皆を納得させた。

根気強く試食会を重ねながら、「青魚には血液をきれいにするEPAやDHAが含まれています」と、いかに栄養的に優れているかを教え、まずは先生方を説得し、保護者を説得し、特別授業を設けて生徒たちにも教えていった。

そうして、赴任した翌年の平成5年からは、週6日のうち5日間を米飯給食に切り替えた。米飯もただの白米ではなく、血液をきれいにし、血管を柔らかくしてくれるGABAが含まれる発芽玄米を10%以上加えた。

生徒に変化が表れたのは、7か月後あたりから学校全体が落ち着いてきた。

校舎のタバコの吸殻を拾って歩いて、スーパーの大きなビニール袋がいっぱいになっていた頃から、米飯給食を始めてから7か月後には、吸殻が1本もなくなった。1年半から2年がたつ頃には、非行・犯罪はゼロになり、同時に子どもたちの学習意欲も高まっていった。
 
荒れていた時は図書館なんて誰も利用しなかったが、子どもたちが変わってきてからは、昼休みは図書館の120席がすぐに満席、座れない子は床に腰を下ろして読んでいたが、そこもいっぱいになると廊下にまであふれ出てくるような状態になった。

また、荒れていた時はなぜか年間の図書の紛失が480冊もあったのに、読むようになってからはゼロ冊。

そうして本を読むようになったせいか、中学生の作文コンクールの中では最難関と言われる、読売新聞の全国作文コンクールで毎年1位か2位に入賞する生徒が出るようになった。



(引用元:大塚貢×櫻井よしこ 対談より抜粋)