デング熱、どんな病気?

◇熱帯で流行、高熱や関節に痛み 蚊が媒介、虫よけで予防を

デング熱に国内で感染した人が69年ぶりに見つかりました。珍しい病気なの?

記者 デング熱は熱帯病の一種で、デングウイルスが引き起こす感染症です。インフルエンザや結核のように人から人に直接うつるのではなく、蚊が感染者の血を吸って体内でウイルスを増やし、他の人の血を吸うことでうつします。東南アジアや中南米、アフリカなどで流行していて、日本に帰国後に発症するケースについては、毎年200例ほど報告されています。今回のケースも、流行地で感染した人が国内にウイルスを持ち込み、国内にいる蚊が媒介(ばいかい)してうつった可能性が高いとみられています。

Q どんな症状が出るの?

A 通常は、症状のない期間が3~7日続いた後、38~40度の高い熱や、激しい頭痛、関節や筋肉の痛み、発疹(ほっしん)が現れます。背中の痛みをかばう姿が、気取って歩いているように見えるため、スペイン語で「気取った人」を意味する「デング」と名付けられたと言われています。たいてい約1週間で治ります。重症化する人もいて、治療をしなければ致死率(ちしりつ)は10~20%になります。

Q 日本にも蚊がいるでしょ。海外のように流行しないの?

A 日本でウイルスを媒介するヒトスジシマカ=写真・国立感染症研究所昆虫医科学部提供=は青森以南に分布していますが、寿命が30~40日と短く、活動も50~100メートルと狭い範囲に限られています。また、冬になるとヒトスジシマカがいなくなり、刺されません。終戦前、20万人規模のデング熱の流行がありましたが、これは南方からの帰還兵(きかんへい)が感染源でした。日本で流行する危険性は高くありません。ただし、感染しても10~50%の人しか症状が表れず、症状が軽くて病院に来ない人も多いため、実際の感染者数は報告より多いと考えられています。

Q どうやって予防すればいいの?

A 刺されないようにすることです。この蚊が屋外で活発化する日中は、長袖や長ズボンを着て、虫よけのクリームなどを使うことがお勧めです。庭先のバケツなど水がたまって蚊の幼虫が発育しやすい場所を作らないことも効果的です。(科学環境部)


(回答:河内敏康…毎日新聞社 記者。東京大学大学院理学系研究科天文学専攻修士課程修了。修士(理学)。)