便秘は万病の元

便秘を訴え、便秘に悩んでいる方は非常に多いのが現状です。

1日に1回以上排便がなくても、それ自体は心配することはないでしょうが、やはり不快な症状が伴えば、それは問題でしょう。

25歳の女性Fさんは、オフィスに勤める会社員ですが、この数年ずっと便秘の薬を服用し続けています。最近は薬を服用しても排便があまりないので相談に見えました。聞いてみますと、ヨーデルS、プルゼニド、ラキソベロンと数多くの緩下剤を服用しているにもかかわらず、便秘が改善しないとのこと。いっぽう、生活習慣に関しても聞いてみましたが、食は不規則で外食が多く、野菜や果物、発酵食品の摂取量が極端に少ないことがわかりました。

まずは、たかが便秘だという考えを変えてもらわなければいけません。

便秘によって腸内環境が非常に劣悪になっていて、ひいては免疫力(自己治癒力)を低下させることにもつながり、場合によってはさまざまな病氣の元になったり、そしてなによりも肌の老化が早まったりしますよと説明しました。

また、安易に薬剤に頼りすぎると、次第に薬も効きにくくなってしまいます。まさに今、Fさんはそのような状態になりかけていると告げました。

「便秘は意外に万病の元なんですね」

という彼女の言葉が、彼女の行動の変容を予言するものだったのでしょうか、さっそく生活習慣、特に食生活の改善を心がけるようになり、2週間も経つと下剤を服用しなくとも排便がスムーズになったようです。また、数年来ずっと続いていたイライラ感も、氣がついたらなくなっていたということでした。

これからみなさんに質問をします。

「腸は脳の指令を受けて働いている?」

答えはNOです。

腸は原則として、自分で考えて機能しているのです。

腸にある神経細胞(ニューロン)の数は1億以上で、この数は脊髄全体に存在する神経細胞の数より勝っています。つまり腸は立派な神経器官と言ってもいいくらいなのですね。

腸が自立して機能しているということは実にすごいことなのです。なぜなら、外界から入ってくる(侵入してくる)すべての物質を体内に取り入れるべきか、排除すべきか瞬時に判断して機能しているわけなのですから。もちろん私たちの生命は、外界から物質を取り入れて維持できているわけですから、何を取り入れ、何を排除するかという判断、すなわちトリアージ(選別)は生命の根幹にかかわるきわめて重要な問題です。このトリアージ(選別)を間違えば生命にもかかわってきます。そのトリアージ(選別)の役割を一手に引き受けて機能しているのが腸ということになるのです。

「腸管こそが最大の免疫器官である?」

答えはYESです。

全身のリンパ球の約60%は腸で働いています。そして抗体の60%が腸で作られています。つまり、腸は私たちの免疫を司る重要な器官でもあるのです。

みなさんは意外に思われるかもしれませんが、実は花粉症、気管支喘息、アトピーなどのアレルギー疾患のなりやすさは、腸の環境に大きく左右されることが明らかになっています。また、まだ明快に証明されてはいませんが、がんをはじめとする慢性疾患のほとんども、おそらくは腸の環境のいかんが、その発病率や治癒率に大きく影響すると思われます。

先ほど述べましたように、腸では数多くの神経細胞や、免疫細胞が機能しています。その上、腸管内には100種類以上もの微生物が棲んでいるのです。数にして100兆個、量にして1キロにもなりますが、こんなにも多くの微生物が私たちと共生しているのには、それなりの意味がきっとあるはずでしょうし、彼らの動静が私たちの心身に深く影響を及ぼしているに違いありません。

したがって安易に抗生物質などで腸管をきれいにしてはいけないのです。抗生物質によってほとんどの腸内細菌は死滅してしまいますので、心身へ及ぼす悪影響は少なくないはずです。


(9割の病気は自分で治せる 岡本裕 著 より抜粋)


花粉症、気管支喘息、アトピー、こういった人、私のまわりにもけっこういます。

改善していない、ということですから残念ながら、腸内環境との関わりについて、ご理解いただけていません。

いつか興味を持って、カラダについて勉強していただけたら良いですね~(^_^;)