高カカオをうたったチョコレート ~カカオマス~

まず、カカオマスは、カカオ豆の胚乳を発酵、乾燥、焙煎、磨砕したものです。外皮と胚芽は工程中で除去される。液体のものをカカオリカー、冷却・固化したものをカカオマスと呼び、主にココアパウダー、チョコレートの原料として利用されます。

カカオマスには約55%のカカオ脂肪分(ココアバター)が含まれています。 プレス機でカカオリカーから適度にココアバターを圧搾したものをココアケーキと称し、ココアミルでココアケーキを粉砕して粉末状にしたものがココアパウダーです。 ココアパウダーの脂肪分は約11%~23%程度になります。

チョコレートはカカオマスを主原料とし、これにカカオバター、砂糖、粉乳などを混ぜて練り調温して固めた食品です。


独立行政法人 国民生活センターによる研究結果報告により、【高カカオをうたったチョコレート】には、注意が必要とのことです。


出だしに、

チョコレートは、世代を問わず非常に身近な人気の高い嗜好品である。

とある。

『嗜好品』。


しかし一方で、高カカオチョコレートはカカオの含量が多いことから、脂質が多くエネルギーは相対的に高い。さらにカカオ豆自体には、利尿作用や興奮作用のあるテオブロミンやカフェインが含まれていたり、アレルギーを起こす人がいる食品の一つとしても知られているため、摂取には注意を必要とする人もいる食品である。

さらに、近年、残留農薬やカビ毒の一種であるアフラトキシンが、チョコレートの原材料である生鮮カカオ豆から検出され、積戻しや廃棄が行われていた報告もある。

以上、近年、その種類が増えている高カカオチョコレートについて、脂質の過剰摂取やカフェイン等生理作用のある成分の問題等と併せて衛生面について調べ、消費者に情報を提供する。

とのこと。


神奈川県及び東京都のスーパー、デパート及び通信販売で購入した高カカオ割合をうたったチョコレート 12 銘柄をテスト対象とした。参考として、国内メーカーのスタンダードなチョコレート 3 銘柄をテスト対象とした。(表1)





まず、脂質ですが、

チョコレートは脂質の多い食品であるが、高カカオチョコレートは普通のチョコレートの 1.2~1.5 倍の脂質を含むものもあり、食べる量に注意する必要がある。


また、高カカオチョコレートは、

気管支拡張、利尿、興奮等の生理作用があるテオブロミンやカフェインを普通のチョコレートの 4 倍くらい含むものもあり、健康な人が嗜好品として楽しむ分には問題ないが、これらの成分に感受性の高い人やテオフィリン等の医薬品を使用している人は摂取量には注意が必要である。


金属成分としては、カドミウムである。

すぐに健康被害を及ぼすような量ではないが、銘柄によりカドミウム含量の差が大きかった。適切な品質管理等が引き続き望まれる

カドミウムの濃度が高い食品を長期にわたり摂取し続けると腎機能障害を起こす可能性がある。


でも、カドミウムは摂取すると体内に蓄積されていくのか?

カドミウムは人体に体重1kgあたり約0.7mg含まれると見積もられている。カドミウムは多くの生物種において蓄積性がみられ、ヒトでは体内に約30年間残留すると言われている。したがって、一度カドミウムに暴露されると、長期間その毒性にさらされる危険性がある。さらに、亜鉛と同族元素であるために、生体内での挙動も類似しており、カドミウム除去の際に、生体に必須な亜鉛をも除去してしまう可能性がある。

カドミウムの毒性については、骨や関節が脆弱となるイタイイタイ病が大きな社会問題となった。さらに、慢性毒性では、肺気腫、腎障害、蛋白尿が見られる。腎障害では糸球体ではなく、尿細管が障害を受けると言われている。また、カドミウムは発ガン性物質としても知られている。これらの毒性の一部は、亜鉛と類似の生体内挙動を示すことから、亜鉛含有酵素のはたらきを乱すことによるものと考えられる。

これらの毒性に対する生体側の防御として、金属結合性タンパク質のメタロチオネインが誘導され、カドミウムを分子内に取り込み毒性を軽減している。





そして、ニッケル。

高カカオチョコレートは普通のものに比べ最大約 4 倍のニッケルを含む。

また、ニッケルは、その摂取量とは別に、接触性の金属アレルギー物質として非常に多くの症例報告がある 。経口摂取によっても発症する可能性が報告されており、ニッケルアレルギーを有する人は注意したほうがよい。


アフラトキシン というのもある。

高カカオチョコレートからはアフラトキシンが極微量検出された。汚染として問題となる量ではなかったが、今後も原材料の品質管理等の適切な実施が必要である。アフラトキシンは、とうもろこし・そば粉等の穀類、ピスタチオ・ピーナッツ等のナッツ類やカカオ等豆類に生えるアスペルギルス属のカビなどから産生される毒素である。


残留農薬は、今回テストしたチョコレートからは検出されなかった。


出典:http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20080206_2.pdf