1000兆個近くいる腸内細菌 ~うんち(大便)の成分~

人には、腸内細菌がどれくらいいると思いますか?

わかりやすくするために、うんちの成分から説き起こしましょう。

バナナうんちのような正常なうんちは水分が約80%も含まれています。だから、プカプカと水に浮いて、水で流すと、パッと散るのです。

うんちの固形成分20%のうち、小腸や大腸などからはがれた腸粘膜が6~7%、腸内最近6~7%がそれぞれ含まれていて、うんちのうんちたるゆえんの食物残滓は、わずか6~7%しかありません。うんちは食べ物のカスという表現は、ごく一部しか当たっていません。

理想的なうんちには、1gあたり6000億~1兆個の腸内細菌が含まれています。腸内細菌の大部分は、培養がむずかしいため、まだ見つかっていない種類も多くあるのですが、遺伝子解析を用いたデータからは、腸内細菌は1万7000~3万種もいるのではないかという推測もされています。

ひとりの体の中にあるうんちの重さは、製造中のものを含めて、600gから1kg。仮に1kgのうんちがある人は、腸の中に1000兆個もの腸内細菌がいる計算になります。

うんちの水分含有量についてさらに触れましょう。

便秘の人のコロコロうんちや便は水分が極端に少ないかというと、実は70%も残っています。大腸にうんちが滞留する時間が長くなると、10%ほど余計に水分が吸収され、そのわずかな水分含有量の差が、心地よいお通じをさまたげるようになります。

ゆるいヒョロヒョロうんちは、85%ほど。ビシャビシャうんちの水分含有量はさらに多くなって90%。なんらかの理由で、水分吸収ができなくなったために、腸内で洪水のように流れてしまいます。

男女のうんちの特徴についてよく言われるのは、”女はたまる、男はくだる”です。ストレスや過労、栄養の偏り、暴飲暴食など体によくない状態が続くと、女性は便秘になりがちで、男性は下痢と便秘を繰り返す傾向があります。便秘になるのは、動物の中で人間だけです。


(大便力 毎朝、便器を覗く人は病気にならない 辨野義己 著より抜粋)


健康情報を満載した大きなお便り、うんち♪

大腸は、人の臓器の中で、もっとも病氣の種類が多い部位です。

のみならず、「今やあらゆる病氣の原因は大腸に棲む腸内細菌にある」と言っても過言ではないほど、腸内細菌の重要性が明らかになってきました。かつて、”大腸は第二の脳”と言われていましたが、今では腸内細菌が脳の機能を左右している実態や可能性がわかり、”大腸は第一の脳”かもしれないのです。

いきなり失礼しますが、今日のお通じはどうでしたか?



「バナナうんち」、「コロコロうんち」、「ビシャビシャうんち」、「ヒョロヒョロうんち」…。

「バナナうんち」と答えた方は、便座に座るだけで、ストーンと出てくるようで、気持ちよかったでしょう。水洗便所では、うんち自身も氣持ちよさそうに、プカリプカリと浮いているのがわかります。

「コロコロうんち」だった方は、ストレス溜まっていませんか?腸が痙攣すると、ウサギの糞のように、コロコロしたうんちが出がちです。肉ばかり食べていても、うんちがコロコロしてきます。

「ビシャビシャうんち」の下痢は、強烈なストレスによる過敏性腸症候群や細菌感染、暴飲暴食などが原因かもしれません。脱水症状に氣をつけて温かい水分を摂ってください。下痢が続くようであれば、医師の診察をおすすめします。

「ヒョロヒョロうんち」は、腹筋が弱くなってうんちを押し出す力が足りなかったり、うんちを作る食物繊維が足りないのかもしれません。


・「……」と答えられないあなたは、便秘ですか?

排便が3日に1回より少ない方は、腸内細菌が腐敗物質を作り出している危険があります。このまま頑固な便秘が長引けば、病氣への抵抗力が弱くなったり、特に大腸の病氣が起こる心配があります。下腹が張っていて、何をやるにも能率低下。女性は、お肌の調子も良くないでしょう。

うんちは、健康情報を満載した大きなお便りです。

その健康情報を読み解く“自己検診”の場所が、すなわち便所なのです。排便後は、可能な限り、自分の“分身”を観察してみてください。健康状態が一目瞭然で、愛おしくなってくるではありませんか。

うんちは色にも健康情報が秘められています。

黄色や黄褐色が「バナナうんち」。
腐敗物質が多くなると、褐色がかってきて、「コロコロうんち」や便秘の方が下剤で無理やり押し出した便に近くなってきます。腐敗物質が多くなるほど、濃い色になります。黒くなったときは、胃や十二指腸などから出血した可能性があるので、医師に相談することをおすすめします。

直視しなくても、臭いでうんちによる健康状態がある程度わかります。

あまり臭くないのは「バナナうんち」。
「コロコロうんち」や便秘の方は、卵や肉が腐敗したような臭いが強くなってきます。

「臭くない」と自負している方でも、便所から出て、5回深呼吸をしてからまた便所に入ってみてください。臭かったら、「○○さんが入ったあとの便所は臭い」と言われているかもしれません。だからといって、排便しないのは逆効果。臭~いうんちをしたくなかったら、生活環境をあらためる努力をすべきなのです。

日本人は、古来、乳酸菌を活用する発酵食品や食物繊維を常食にし、魚介類を多く摂り、肉や動物性脂肪は少なめという、腸内環境にとっては理想に近い食生活を続けてきました。それが、第二次世界大戦後、欧米化された高脂肪高タンパクの食生活がはびこり、伝統的な日本食の良さは忘れられようとしています。

特に若い世代ほど、肉好きで野菜嫌いだったり、油で揚げたスナック菓子と糖分たっぷりの炭酸飲料を好む人が多くなってきました。そんな食生活の乱れからくる腸内環境悪化の典型的な結果が、沖縄県の寿命順位の低下となって表れているように思えてなりません。腸内環境について見直すきっかけを作ってもらいがために、ぼくはこの本を上梓しました。

うんちを作る力、うんちを押し出す力、うんちを理解する力、うんちに秘められた力、うんちに含まれている腸内細菌を理解する力、うんちを読み解く力など、うんちへの愛を、この『大便力』に込めました。

(出典:大便力 辨野義己 著)