弱い電磁波を慢性的に浴び続けた場合の影響

いま問題になっているのは、私たちが浴びていると気づかないほどの弱い電磁波を慢性的に浴び続けた場合の影響についてです。

超低周波の場合、小児白血病の発症率が2倍になる値はわずか4ミリガウス。

アメリカは、超低周波電磁波の健康への影響を解明するために、1992年から調査プロジェクトを実施、2000年には、過去に行われた複数の疫学調査のデータをまとめて再分析した論文が2つ公表されました(それぞれ2656人の患者と7084人の対照者、3247人の患者と1万400人の対照者)。

送電線の近くで3ないし4ミリガウスを超える磁場を浴びている子どもは、周辺に特別な発生源がなく、浴びている強さが1ミリガウス未満の子どもと比べると、小児白血病の発症率が1.7~2倍になると結論づけられています。

イギリスでも、政府の放射線防護局の委託を受けた専門家委員会が2001年に、疫学調査の結果から「4ミリガウス以上の磁場にさらされた場合、小児白血病のリスクが2倍になる可能性がある」という趣旨の報告書をまとめました。

国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)という国際機関(WHOの協力機関)が、電磁波を規制するための国際ガイドライン値(安全だと思われる目安)を周波数ごとに定めています。このガイドライン値の設定にあたっては、電磁波の短期的な影響しか考慮されていません。したがって、特別に強い電磁波が発生するIH調理器周辺を除けば、私たちがふつうに生活しているうえでガイドライン値を超える電磁波を浴びることはまずないでしょう。しかし、だからといって安心できるわけではありません。慢性的にガイドライン値以下の弱い電磁波を浴び続けた場合の影響については、何も考慮されていないからです。

ちなみに、その国際ガイドライン値は50ヘルツの場合は1000ミリガウス(小児白血病の発症率が2倍になる4ミリガウスの実に「250倍」にものぼる)、60ヘルツの場合は833ミリガウスという設定になっています。

小児白血病のほかにも、電磁波によって起きると報告されている症状は、数多くあります。もちろん、これらがすべて電磁波によって起こると証明されているわけではありません。しかし、電磁波過敏症の症状を考えると、影響は十分に考えられるでしょう。
現在のガイドライン値は、こうした影響の可能性については何の防護にもなっていません。

表8-2は私自身(著者)の測定結果です。これらをふまえて、とくに気をつけたほうがよい電気製品を危ない順に①~③に分類してみました。参考にしてください。

① 至近距離で使い、広い範囲で強い電磁波を発生するもの。IH調理器、電気カーペット、電気毛布など。
② 至近距離で使い、局部的に強い電磁波を発生するもの。ハンドミキサー、ヘアドライヤー、電気シェーバーなど。
③ 強い電磁波を発生するが、離れて使えるもの。掃除機や洗濯機など。

ただし、電磁波の強さは商品によっても違います。詳しく知りたい方には、簡易測定器を使って実際に測定することをお勧めします。

こうした家電製品から発生する電磁波に対しては、基本的には自衛が可能です。

電磁波は、距離が離れるほど弱くなるからです。目安は1~2m。

2m以上離れれば、大半の製品で、リスクが避けられる目安とされる1ミリガウス以下にできます。

(出典:危ない電磁波から身を守る本 ~こうすれば避けられる~ 植田武智 著)


家電製品から発生する電磁波




電磁波によって起きるとされている症状・異常